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第15話 頑張っている貴方に天使のプレゼントを

ผู้เขียน: 菅原みやび
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-05-23 21:00:35

「それじゃ、また後日の」

「またね……」

 私は小次狼さんに軽く手を振り、花屋の外まで見送りを済ませ、再び2階に戻る。

(さてと、次はシスターリン用のプレゼントを加工しないとね!)

 私は気合を入れる為に背伸びをし、作業机の上で真紅の怪しい輝きを放つ大粒の魔石を見ながら、どんなペンダントをプレゼント加工しようか真剣に悩むのだ。

 そして翌日の朝になり、花屋エターナルの開店と同時に一人の若き女性が私の店を訪れる。

「おはようございます!」

「あら、いらっしゃい!」

 ドアを開くと、元気な声と共に黒の修道服を身に纏った若い女性が立っていた。

 ゆったりとした黒いフードから覗くサラリとした赤毛。

 修道服の上からも分かる華奢な体つき、それに少し丸みを帯びた愛らしい顔立ちに二重のぱっちりとした大きな目。

 彼女は澄んだエメラルドグリーンの瞳でこちらを見つめている。

 うん! 間違いない、シスターリンだ。

「昼から持っていこうと思っていたんだけど……」

「す、すいません! 待ちきれずにきちゃいました! あ、これお礼の差し入れです!」

「あ、どうも……」

(何かしら?) 

 私はシスターからバケットを手渡され、その中を確認する。

「あ、サンドイッチだ、嬉しい! 丁度お昼をどうしようかなと迷ってたのよね!」

 よく見るとそれとは別にバケット内の片隅には、カットされたリンゴなども丁寧に添えられている。

 ウサギ型に丁寧にカットされたそれは、彼女の細やかな性格がにじみ出ている。

(ここら辺の気遣いが子供達に大人気なんだろうな……) 

「どうぞ中に入って」

「あ、ありがとうございます。すいません急に押しかけて。や、やはり仕事の邪魔になりますか?」

「え? ああ、まあ気にしないで……」

 正直私の店に花目的で朝一で来店される方はほとんどいない。

(まあ、マーガレットくらいかな? そもそも、ここ僻地の中の僻地だしね……) 

「ちょっとプレゼントを取りに2階に行ってくるので、花を見て待ってらしてね」

「わあ、ありがとうございます!」

 エメラルドグリーンの瞳を輝かせ、自身の両手を合わせほがらかに微笑むシスターリン。

 ということで、私は急いで2階の加工部屋にプレゼントを取りに行きながら考えるのだ。

 そう、滅多に人が訪れ事が無いブルジョワご愛用の特殊観光地ブリガン。

 私は遠くに見える客船がゆっくりと本島に戻って行くのを確認しながら、しみじみとその事を実感するのだ。

(それはさておき、花屋の営業をしなくても今は十分食べていけそうなんだよね……)

 そうなのだ、この前頂いたイッカ国前払いの報酬の一級品の宝石をアクセサリー加工して売るだけで、当分は何もしなくてよさそうなのだ。

(更に今度ブラッド青年からは別報酬がたんまり頂けるだろうし) 

 正直どんな魅力的な宝石類を頂けるか楽しみにしているところである。

(願わくば見た事も無い魅力的な宝石を見て見たいもの……)

 そしてそれらを加工して完成させるとき、私は生を実感できるのだ。

(だからか今回ほぼ無報酬のシスターリンの貴金属の加工も本気で取り組んでしまったのよね) 

 私は軽やかに階段を上り下りしながら、そんな事を考える。

「うーん、これかなあ? こっちも悪くない……」

 私が一階の花屋に戻ると、何やら真剣な顔をし、花を選んでいるシスターリンの姿が見えた。

「……リンさん?」

「う、うわわっ⁈ あ、すいません。実はフラワーアレンジメントに使う花を選んでいて迷っていたんですよね……」

「あ、ああ……」

 実は数日前にマーガレットが来た時に私にその話をしていたので、察した。

「マーガレットから聞いたけど教会で沢山使うらしいですね」

「そう! そうなんですよ! 子供は宝! 今のうちに色んな教育をしとかないと育たないからですね!」

 シスターリンは向日葵が咲いたように明るく目を輝かせ、自身を納得させるように深く頷いている。

 ……まあ、ここいらがシスターリンの根っからの母性が滲み出ているわけで……。

(そんな頑張っているお母さんにはちゃんとプレゼントを上げないとね!) 

「シスター……」

「はい……?」

 私はそっとシスターリンの首に、プレゼントのペンダントをかける。

「ああっ! これ……」

「ふふ、貴方にピッタリでしょ?」

 それは純銀で出来たロザリオの装飾ペンダントだった。

 十字架の中央にはブリガン産の真紅の魔石ブリガンレインが魅力的な輝きを放っている。

 長円状にカットされた大粒のそれは3カラットはあり、一流の加工師である小次狼さんの匠の技によるものである。

「い、いいんですか? こっ、これ絶対お高い奴じゃ?」

「いいからいいから……」

(まあ、私の小さな友達マーガレットもお世話になってるしね) 

「この6枚羽の天使の装飾がまたしゅ、しゅごいい! で、でも、腕と頭が無いのが気になりますが……?」

「ああ、それはワザとつけてないのよね、ほら、色々想像出来た方が楽しいでしょ?」

 感動し過ぎて口調が可笑しい事になっているシスターリンに苦笑しながら、私は人差し指をたてウィンクして見せる。

「あ、なるほど確かに! う、うーん、でも頭はあった方が良かったんじゃ?」

「ふふ、実はその天使は身に着けている人自身を差しているのよね」

「あ、それが私……か。ふ、深いいですね。流石毎日研鑽している方のアイディアは違います。私も見習わないと」

「ふふ、中々嬉しい事言ってくれるわね」

(シスターリンがさっき代弁してくれたように、花屋をやっている一つの理由が毎日のコーディネイトの試行錯誤のインプットとアウトプットだったりするんだよね) 

 接客し、お客様に合うものを提供するが私の仕事であるし、それは花屋も魔石商も変わらないのだから……。

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